子育て世代の味方! 「プラチナくるみん」 認定企業のご紹介
最近では、就職先を選ぶうえで『ワーク・ライフ・バランス』を重要視する方が増えており、また、企業においても従業員の『働き方改革』について様々な取組みが行われるようになりました。
今回の特集は、これから就職活動を始める学生さんや「子育て」を迎える世代の方向けに、大分県で仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組む【プラチナくるみん認定】を受けた企業にスポットを当て、認定への取り組みや実際に働く方々の声を聴いてきました。
仕事と子育ての両立を支援する企業の証「くるみん認定」
「くるみん認定」とは、厚生労働大臣が「次世代育成支援対策推進法」に基づき、仕事と子育ての両立を支援・サポートをしている企業を「子育てサポート企業」として認める認定制度で、大分県では46社(2023年8月末時点)が「くるみん認定」を受けています。この認定を受けた企業の証が上の「くるみんマーク」です。
・大分県の「くるみん認定」企業一覧はコチラ
ちなみに「くるみん」という名前には、赤ちゃんが包まれる「おくるみ」と「職場ぐるみ、会社ぐるみ」で仕事と子育ての両立支援に取り組もう、という意味が込められているそうです。
より高水準なサポート体制の企業を特例認定する「プラチナくるみん認定」
さらに、「くるみん認定」をすでに受けている企業のうち、その支援・サポート体制などがより高水準の企業は特例認定である「プラチナくるみん認定」を受けることができます。
認定を受けた企業は、「プラチナくるみんマーク」を広告等に表示し、高い水準の取組を行っている企業であることをアピールできます。
大分県の「プラチナくるみん認定」を受けた企業は4社のみ
そんな高水準な子育てサポートをしてくれる認定企業ですが、全国で558社のうち、大分県にはなんと4社(2023年9月1日現在)しかないそうです。
今回は、そんな“プラチナ”な認定企業4社に「子育てサポート」についてお話しを伺いました。
大分県の『プラチナくるみん認定企業』(特例認定年順)
株式会社日豊ケアサービス
事業概要
介護事業(介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・デイサービスオリーブ・訪問介護居宅介護支援・福祉用具貸与販売・住宅改修・太陽光発電他)
大分県で「プラチナくるみん」認定事業所第1号
2010年当時、離職者が多く、人手不足が慢性化していました。
その改善の一つとして「育児・介護休業の取得の応援」を実施しました。その結果「くるみん」「プラチナくるみん」の取得にいたりました。
他には、正社員転換制度、定年延長、介護未経験者大幅採用、キャリアパス制度、メンター制度、退職金創設、時間単位の有休取得制度などを取組みました。
職員の意識改革で誰もが育休を取りやすい環境に
職員の意識を改革することに苦労をしました。
当時は「結婚」「出産」「育休」のライフイベント時に、女性社員は退職する事が当たり前でした。
今では「結婚」して「一人目・二人目・三人目の出産+育休1年間」を普通に取得しています。
認定後の社内外での変化
職員的には、特に変化はありません。当然の様に制度を利用します。
社外的にはそれほど反応はありません。12年間で職員応募時に2~3件の問合せを頂きました。
※現在では育休は会社や社会にとって当然・必須のことですから。
「くるみんマーク」は名刺・求人パンフレット・求人広告等に利用しています。
当初は地元TV・ラジオ・新聞に取上げられたりしました。
UIJターン求職者や就活生へのメッセージ
やる気のある方は大歓迎です。経験・年齢・性別・国籍を問わず募集しています。
所在地:〒879-0627 豊後高田市新地1157
電 話:0978-22-2934
株式会社大分銀行
事業概要
ブランドスローガン ~感動を、シェアしたい。~
大分銀行は1893年に創立され、創立130年を迎えました。その長い歴史と伝統の中で「地域社会の繁栄に貢献するため銀行業務を通じ最善をつくす」を経営理念に掲げ、地域の方々へ金融サービスを提供しています。また、「感動を、シェアしたい。」をブランドスローガンに掲げ、地域の皆さまやお客さまとその発展、成功を共に喜び、『地域への熱い「オモイ」を「カタチ」にするため行動し、お客さまとの共有価値を創造し続ける銀行』を目指し、地域密着型金融を実践しています。
女性活躍推進のリーディングカンパニー
大分銀行は、2010年・2015年・2017年にそれぞれ「くるみん」企業、2019 年に大分県内では2社目、県内金融機関では初となる「プラチナくるみん」企業として認定を受けることができました。取組みを本格的に始めたのは「ダイバーシティ推進チーム」を人財開発部内に発足した2015 年です。当時から女性行員も数多く在籍しており、県内のリーディングカンパニーとして女性活躍推進の活動をスタートしました。現在4名体制にて、「パパママセミナー」「次世代女性リーダー養成研修」「キャリア研修」といった研修や「1on1ミーティング」等の女性活躍を後押しする施策を実施、運用しています。
男性行員の育休取得率向上に向けた取り組み
「プラチナくるみん」認定に向けては、「男性育休取得率」が一番の難関でした。制度としては施行されていましたが、実際の取得者数は少なく、ダイバーシティ推進チームにて対策を講じました。第一は制度の認知を高めてもらうこと。子供が生まれた男性行員とその男性行員が所属している所属長、両名宛に「育児休業取得に関する案内」文書を送ることから始めました。合わせて行内ニュースを出状する等、地道な活動により周知を図り、徐々に制度の認知や周囲の理解も高まっていきました。その結果、取得率は現在57%(2022年度)まで上昇していますし、今後も積極的な取得を支援していきます。
女性行員や若手行員が活躍できる企業へ
認証マークは、行員の名刺に印字することが可能です。認定については、統合報告書やホームページにて公表することで大分銀行の取組みを紹介しています。2019年の認定以降も引続き、女性の活躍を後押しする様々な取組みを実施しており、「プラチナくるみん」認定も継続しています。これまで女性行員が携わることの少なかった業務(融資や法人営業)にも若手行員を中心に女性の活躍が増えてきました。このような職場意識の変化は、すぐには現れないので活動を継続することの大切さを感じます。2020年度は「おおいた女性活躍推進事業者表彰」を受賞しました。こちらも継続した活動を評価頂いた結果だと思います。
大分銀行の求める ❛人財❜
①好奇心や向上心に溢れ、失敗を恐れずチャレンジできる人。
地方銀行を取り巻く環境が厳しさを増すなかで、環境変化に対応したビジネスモデルへの変貌や、新たな市場の開拓が求められています。そうした変革を積極的に受け入れ、自ら新しいことに取り組める人財を必要としています。
②相手の立場や気持ちに立って考え、コミュニケーションができる人。
大分銀行は “地域密着型金融”を掲げて、他行との差別化に取り組んでいます。そして、その独自性と競争優位を築いていくための要素として力を注いでいるのが、CE(お客さまの感動)と人財育成です。
なかでもCEは、経営戦略の柱となるサービスの考え方であり、行員一人ひとりにそのための能力が求められます。
さらに、これら2つの能力とともに、仕事に取り組む価値観や入行の動機として、大分銀行が人財に求めるものが、「大分が好き」「地域の活性化に貢献したい」という、大分への熱い心意気です。
大分銀行でお待ちしております!
所在地:〒870-0021 大分市府内町3丁目4−1
電 話: 097-534-1111
FAVOita: https://favoita.com/companies/477
大分キヤノンマテリアル株式会社
事業概要
1998年(平成10年)、杵築市にキヤノン株式会社の子会社として設立。複写機やプリンター用の消耗品の戦略拠点として創業を始めました。2007年(平成19年)には大分市に第二事業所を操業。
自然や文化に恵まれたこの大分の地から、世界中のお客様に使っていただける製品をお届けできるよう日々生産活動に取り組んでおります。
ライフイベントに応じた制度の充実
当社は創立以来、年齢や性別、学歴等を問わず、社員一人ひとりが自分の力を存分に発揮し活躍できる環境づくりに力を入れています。そのために、「働きやすさ」だけでなく「働きがい」にも注目し、経営陣だけでなく、そこで働く全ての社員が「どうすれば自分の力を十分に発揮し、活躍できるか」という課題に真剣に取り組んでいます。
現代のビジネスパーソンは「育児」はもちろん「学校」「地域社会」への参画も求められます。また、今後は「介護」に関わる社員の割合も増えていきます。そのような中、仕事と私生活の両立を図りながら働き方を見直し、生産性を向上させることで就業時間内に効率的に働く「ワーク・ライフ・バランス」の確立をめざし、ライフイベントに応じた制度の充実を図ってきました。
また制度を活用しやすいように、大分キヤノンマテリアルでは、ダイバーシティ推進を図り、「お互いさま」という思いやりの気持ちをもってそれぞれの働き方をサポートしています。
これらの活動は、当社の風土の中で徐々に浸透し、当たり前になってきたものですが、改めて社内において意識するためのきっかけとして認定取得に取り組みました。
一人ひとりの意識改革で「働きがい」を感じることのできる職場環境づくり
誰もが働きがいを感じることのできる職場環境の整備を目指して、2018年からの1年間、毎月社長から全社員への発信を行い、その後は、ダイバーシティ推進者による発信、社内報での連載記事などを通じて、社内の認識を深めていきました。
こうした活動は、特定の誰かの取り組みで実現できるものではありません。経営側や管理職、職場を預かるキーマンや、育児に携わる当事者、その社員を支援する立場にある社員など様々な役割や立場にある一人ひとりの意識改革が必要でした。これは、数年をかけて徐々に浸透していったものであり、全社員で築いた風土であったと振り返っています。
子育てをしながらも自分のキャリアを描ける社風
認定を受けたことで、更に社員の意識向上が図れたと感じています。
まず、2016年には取得率0%だった男性育休者が2022年には43.5%となりました。なお女性の育休取得率は100%です。また、育児に携わる社員の昇進などの実績から、子育てをしながらも自分のキャリアを描ける社風を築きつつあります。
大分県で3社目(製造業としては初)となるプラチナくるみん認定企業となることで、マスコミにも取り上げられ、そこから県下企業との交流も始まりました。現在は大分県下企業とともに女性リーダー育成研修「ワーキング・ウーマン・ミーティング」を通じて異業種交流会を企画、運営しています。
また、大分県が進める私立理工系女子育成事業やおおいた働く女性応援プロジェクト「WOMAN NEO」トークセッションへの登壇など、県の働く女性を支援する活動に積極的に参加しています。
<その他、2022年の活動例>
・大分県HP「おおいた働きたい女性応援サイト」への当社活動の掲載
・ニッコン「ママのままプロジェクト」へのシングルファーザーの紹介記事の掲載
UIJターン求職者や就活生へのメッセージ
当社では、「ワーク・ライフ・バランス」実現が可能な諸制度を整備しています。
社員それぞれの働き方に応じた選択が可能であり、自らのキャリアを自らがデザインできる会社です。
<福利厚生等 一例>
・育休取得率(女性_100%/男性_43.5%)
・年間休日125日(長期連休(春・夏・冬))
・育児休暇制度
・年次有給休暇 最大40日/時間単位休暇 最大5日/傷病手当休暇 最大35日/フリーバカンス制度(5日/年)
・勤続表彰制度(金一封3~20万円/休暇日数3~10日間)
・保養所(湯布院/箱根)/大分地区体育館
・年齢や性別に関係なく自分の力を発揮できる実力主義をもとにした評価制度
所在地:〒873-8501 杵築市熊野1-111
電 話:0978-64-2111
FAVOita: https://favoita.com/companies/982
社会福祉法人庄内厚生館
事業概要
庄内厚生館は大分県由布市にある1946年創立の社会福祉法人です。保育所、児童養護施設、障害児・者の入所施設や就労継続支援施設、高齢者施設、生活困窮者のための生活支援宿泊所等、全18施設を運営しています。
子どもから障がいのある子どもや成人、高齢者までをサポートしている大分県唯一のトータルサポート法人です。
働き方改革の成果として、プラチナくるみん認定に関する子育てをしている職員への支援の他にも、新卒職員・若手職員へのサポートや教育制度も充実させています。メンター制度や資格取得応援制度、奨学金返還支援手当制度なども整備し、多くの若手職員も活用しています。そういった制度整備もあり、若い職員の離職率も低いことからユースエール認定も受けている社会福祉法人です。
育休中の業務をカバーする職員へもサポート!女性・男性の育児休業取得率100%を継続中!!
認定を目指すきっかけは、法人で働く職員が「育児」というライフイベントに積極的に参加できる環境を整えることによって、職員のQOLの向上につながり、離職率の低下も実現できるのではないかといった考えから2019年度より働き方改革の取り組みを開始し、その中の1つとしてくるみん認定取得を目指すことでした。取り組みを進める中で同年度に初めて男性育休取得者が生まれ、以降女性・男性の育児休業取得率100%を現在まで継続中です。
育休取得推進の一方で、育休者の業務をカバーする同僚職員向けに「子育て休業サポート手当」を設けるなど、使う職員にも支える職員にも配慮した制度作りを行いました。
これらの取り組みが実を結び、2020 年に「くるみん認定」、2022年に「プラチナくるみん認定」を取得することができました。
課題解決に向けた制度づくりで67.9%の有給取得
入所施設も多いため、年次有給休暇の取得率をあげるのには苦労しましたが、働き方改革に関するコンサルティング契約を締結し、法人内全体で働き方改革に取り組みました。
具体的には、属人化の解消など各施設で従業員同士が課題を出し合い、解決のための対策を講じ、法人全体で有給取得「年間10日以上」を目標に掲げました。2022年度では年次有給休暇は67.9%(平均11.7日)取得することができました。
また、男性の育休取得の推進に関しては法人内のアンケートで「給与が減る」という点がもっともハードルになっているということが分かったため、手取り額が保障されるように差額分の給与支給の制度を設けました。
そういった育児などの法人内の制度について職員に理解してもらいやすいよう「仕事と育児・介護の両立支援ガイドブック」というものを作成し、各事業所に配布しています。また、職員のスマホなどからもいつでも見ることができるようにしています。
育児休業制度を活用した職員によるスタッフボイス
○産休育休取得の際、職場ではサポートや配慮はありましたか?また、不安に感じることはありましたか?
男性が育休を取るイメージが全くなかったので、職場に迷惑をかけてしまうのではないかという思いがありましたが、職員さんに報告すると、「いいね!」という反応があったりと、思っていたより好意的な反応があったのを今でも覚えています。
復帰前の不安は全くなかったんですが、休んでいる期間「周囲に迷惑かけてしまっているんだろうな」とは思っていました。そんな中で先輩方と育休中連絡を取り合い、何かと情報をくれました。そういうフォローがありがたかったです。復帰後は初日からフル稼働していました。「待ってました!」と言わんばかりに仕事の役割分担をしっかり決めてくれていたので、育休の余韻に浸る間もなくある意味非常にスムーズに仕事を行う事が出来ました。
○仕事と育児を両立する中で、庄内厚生館で働いていてよかったと思うことがあれば教えてください。
夫婦で同じ施設で働いていますが、事務局の方が申請等の手続きは全面的にサポートしてくれた事により、産休から育休までスムーズに取得する事が出来ました。
妻からも「育休を取ってくれてありがとう」と言ってもらえましたし、育休取得前後にフォローしてくれた庄内厚生館に感謝の気持ちが増えました。安心して仕事にも取り組めましたし、改めてこの庄内厚生館を選んで良かったと感じました。
幅広いライフステージの方に活用していただける制度が充実!
庄内厚生館のある由布市は全国的にも有名な観光地である湯布院が有名です。庄内地域は別府市や大分市への各方面へのアクセスもしやすい自然豊かな地域で、共歩・共笑・共育 ~共に歩こう 共に笑おう 共に育とう~ の理念のもと、利用者や保護者、地域の方、職員とみんなでこれまで共に進んできました。
働き方改革の活動に関しては職員の協力もあり社会福祉法人の中ではトップレベルな活動ができており、その成果がプラチナくるみんやユースエールの認定になっていると思います。
福利厚生では前出の奨学金返還支援手当や住宅手当など若い職員から使えるものから、不妊治療サポートやがん治療助成、育児・介護のおむつ代助成など幅広いライフステージの方に活用していただける制度を整備しています。
福祉について学んだことを活かしたい方、スキルアップを目指したい方はもちろん、これまで福祉には携わったことはないが福祉業界にチャレンジしてみたい方、自分の仕事で誰かを笑顔にしたいと考えている方、是非一緒に庄内厚生館で働いてみませんか。
所在地:〒879-5406 由布市庄内町西長宝1433-1
電 話:097-582-1211
FAVOita: https://favoita.com/companies/8
~最後に~
いかがでしたでしょうか?
産休・育休制度の導入だけでなく、休暇を取りやすい雰囲気づくりや、代わりに働く方々へのサポート体制の整備など、社員みんなが働きやすい職場環境づくりに力を入れている企業が大分にもあり、こうした企業が今後ますます増えて来ると思いますので、企業選びの指標の一つとして「くるみん」や「プラチナくるみん」の認定マークをぜひ活用してください。
(こちらもご覧ください:ユースエール認定企業特集)
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